医師 村上
腹水の治療は一般的に、安静、塩分制限、水分制限、利尿剤の投与、アルブミンの投与、腹水穿刺などがあります。
これら以外にも、漢方薬での治療が行われることもあります。

漢方薬と聞くと、効き目がゆっくり、体質改善、高価、体にやさしい、副作用がないなどのイメージを持っている人が多くいます。

漢方でも腹水の治療に活用することが可能ですが、どのような治療がなされるのか、本当に副作用がなく体にやさしいのかを考えていきましょう。

腹水の漢方治療について

腹水の治療は、腹水が溜まらないように原因となっている病気の治療もしながら、腹水を排出していきます。
漢方薬でも、腹水を溜めない、腹水を排出する両方の作用が期待できます。

腹水治療には次のような作用のある種類のものが良く使われます。

  • 利尿作用
  • 体の中の水分調整作用
  • 腹水の原因となっている臓器の活性化作用
  • 腹水による症状緩和

病院では1種類の漢方薬を処方されることも多いのですが、漢方薬局などでの煎じ薬の場合は、必要な生薬を必要な量だけ混ぜて処方されます。

西洋薬では症状に対して処方されますが、漢方薬は根本的な原因にも目を向けた処方がなされます。
そのため病気の種類、症状の程度、年齢、体力の程度など、その人にあった生薬をブレンドしていきます。

同じような腹水の症状でも、原因となる病気が違えば処方される漢方も違うということがあります。
また、同じ病気でも効果が期待できる種類と、薄いものがありますので、自己判断で服用することは避けた方が良いです。

漢方には、飲みやすいように顆粒や錠剤にしたものもありますが、煎じて飲む漢方の方が含まれている有効成分を余すことなく取り入れることができます。

ですが、煎じ薬は癖があり苦手な人もいます。
自分にあった種類のものを自分にあった方法で取り入れると良いですね。

腹水の漢方薬の効果(エビデンス)

 

腹水の漢方薬の副作用

漢方薬は副作用がなく誰でも安全に飲めると思っている人も多いのです。

確かに西洋薬と比べると副作用はほとんどありませんが、全く出ないわけではありません。

患者様のご状態や体質、飲み合わせのお薬などによっても副作用がでる可能性がございます。例えば、以下です。

消化器症状

吐き気、食欲不振、下痢、胃部不快感、胸やけ

皮膚症状

かゆみ、湿疹

神経症状

のぼせ、めまい、頭痛、手足のしびれ

 

これらの症状は、食べ物や薬で過去にアレルギー症状が出た経験がある人や、胃腸の弱い人、高齢者は特に現れやすくなりますので注意が必要です。

特に、漢方薬と病院でのお薬を併用する際は必ず専門家へ確認しましょう。
漢方薬を服用してから、気にある症状が出た時は、すぐに医師や専門家に相談をして対処することが大切になります。

 

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北海道 函館生まれ 昭和53年3月 東京医科大学 卒業。昭和62年10月医療法人木村病院 勤務。平成1年10月 東京医科大学 客員講師。平成10年3月ホロス松戸クリニック開設。漢方栄養医取得。漢方医として病気の治療を行う。主に癌や腹水、肝硬変等、難病の漢方治療を得意とする。 現代医学と東洋医療の融合である統合医療を行う医師