医師 村上
腹水が溜まり始めると少しずつ自覚症状が現れ、1Lを超えるとお腹の張りが第三者にもわかりやすくなります。
症状としては、胃腸の圧迫により食欲不振や吐き気、胸の方まで圧迫されることで呼吸困難や息切れが起こります。量が少ないうちは、洋服のお腹周りがきつくなった、ベルトの穴がひとつ分きつくなった、何となくお腹が張る、体重が増えた程度の小さな変化です。
腹水は一度溜まると繰り返すことも多く、腹水による症状を改善するには腹水を体の外に出すことが必要になります。

腹水の病院治療

腹水が溜まると治療が必要になります。
病院では一般的に次のようなことが行われます。

ベッド上での安静が必要です。
特に肝臓が原因で腹水が溜まっている場合は、体のだるさがありますので十分休む必要があります。

体の中の塩分と水分の量が適正でなければ、血管の中の浸透圧が狂い、血管から水分がどんどん抜けてしまいます。
それぞれ症状にあった分量に制限されます。

腹水を体の外に出さなければいけませんので、利尿剤が使われます。

上記の治療をしても腹水が排出されない場合は、腹水穿刺やCARTにより人工的に排出します。
腹水穿刺は対応できる病院が多いのですが、CARTは特殊な機械が必要なため治療できる病院が限られています。

腹水を抜くと体が弱る?

腹水治療で良く言われるのが、「腹水を抜くと弱る」です。
どうしてこう言われるようになったのでしょうか。

腹水には2種類あり、たんぱく質を多く含むものとたんぱく質の量が少ないものです。
たんぱく質は体に必要なものですので、腹水を抜くと体に必要なたんぱく質までも捨ててしまうことになるのです。

ではたんぱく質が少ない腹水の場合は、抜いても支障ないのでは?と思われるかもしれませんね。
腹水にはたんぱく質だけではなく、栄養素も含まれています。
ですから、どちらのタイプの腹水でも、抜いてしまうことで栄養も一緒に抜いているのと同じなのです。

このことから腹水を抜くと体が弱ると言われるようになったと考えられます。
しかし今は、CARTと呼ばれる治療ができるようになりました。

これは腹水の中から必要な栄養やたんぱく質を取り出し濃縮し、再び体の中に戻す方法です。
この方法ですと体が弱るというのは当てはまらないことになります。

腹水を自然に治す治療法

腹水の抜き方によっては体力が奪われることが減りますが、それでも長時間かけて抜くことに変わりはありません。
何時間もじっとしていなければいけないのも辛いものです。

なるべく体にも心にも負担なく腹水を排出できるのが良いのですが、その方法のひとつに漢方薬があります。
漢方薬には利尿作用や体の中の水分調整をする働きを持つものもあり、それを服用するとことで自然排出が可能になると考えられます。

漢方薬はその人の症状や状態に合わせて適切なものを選ばなければ効果が薄くなります。
医師や専門家に相談をして取り入れることが必要です。

腹水の漢方治療の症例(エビデンス)

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北海道 函館生まれ 昭和53年3月 東京医科大学 卒業。昭和62年10月医療法人木村病院 勤務。平成1年10月 東京医科大学 客員講師。平成10年3月ホロス松戸クリニック開設。漢方栄養医取得。漢方医として病気の治療を行う。主に癌や腹水、肝硬変等、難病の漢方治療を得意とする。 現代医学と東洋医療の融合である統合医療を行う医師