
肝硬変は肝臓の病気が引き金になって、長い時間をかけて肝臓の細胞が硬くなる病気です。
硬くなった細胞は元の状態に戻るのが難しくなります。
そのため、肝硬変になったら長くはないと言われてしまいます。
肝硬変が悪化すると、いろいろな症状が出るようになりますが、そのひとつに腹水があります。
腹水が溜まるとどうなるのか、そもそもどうして腹水が溜まるのが、改善方法はないのかなど、疑問に思うことがあると思います。
ここでは、その疑問にお答えするような、肝硬変と腹水の関係について書いてあります。
肝硬変から腹水になる原因
なぜ肝硬変になると腹水が溜まるのでしょうか。
ウィルス感染やアルコールにより肝臓がダメージを受け始めてから、肝硬変になるまでには20年~30年かかると言われています。
肝臓は他の臓器と比べて再生力が高い臓器です。
もし肝臓の一部を切ったとしても、また元の大きさまで戻るほどの再生力です。
ですから、少しくらいのダメージを受けても、再生してくれるので肝硬変になるまでにこれほどの時間がかかるのです。
肝硬変になるということは、再生が間に合わないほどに細胞が弱っているということが言えるのです。
肝臓には解毒作用や、血管の中の水分調整を司るたんぱく質を作る役割があります。
肝臓の機能が落ちると、こられの役割も正常に行われなくなります。
その結果、血液中の水分バランスが崩れ、血管から水分が浸み出てお腹の中に溜まっていきます。
これが腹水です。
このような状態になると、アルブミンを増やさなければ血管からの水分流出は止まりませんので、アルブミンの点滴などが必要になります。
末期の肝硬変で腹水が現れた場合の余命
肝硬変になるまでに長い時間がかかり、そうなるには相当な肝臓への負担があるということはおわかりいただけたと思います。
肝硬変は肝臓病の中でもかなり進行した状態と言えるのです。
そこからさらに悪化すると、腹水が溜まる、肝性昏睡になる、肝臓がんになるという経過をたどります。
腹水が溜まるのは、それだけ深刻なことで、医師から余命告知をされる人もいます。
ですが、全員がそうなることではなく、年齢、病状、全身状態などにより治療の効果が見込める場合もあります。
肝硬変の進行はゆっくりですから、すぐに命に関わるということではないのです。
しかし、細胞の再生力が落ちていることに変わりはありませんので、20年も30年も時間が残されていることは考えにくいのは確かです。
肝硬変から腹水になった人の改善例(エビデンス)
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