医師 村上
肝硬変は肝臓の機能がかなり落ちている状態で、その予後はあまり良いものではありません。肝硬変まで症状が進むと、薬では元の状態に戻すのは難しいとされ、現れる症状に対する対処療法がメインになってきます。
ですが、肝硬変を改善した例もありますので、完全に諦める必要はないのかもしれません。

肝硬変が治った人の症例(エビデンス)

肝硬変はウィルスやアルコールによる負担が原因で、肝臓の細胞が破壊と再生が繰り返されることで起こります。
なんども破壊と再生を繰り返すことで、細胞は繊維化し硬くなります。
硬くなると細胞が正常に働かなくなり、肝臓の機能全体が衰えていきます。

再生力が高い肝臓でも、何度も再生を繰り返すと最後は再生できなくなるのです。
その結果、肝臓の役割である消化に関わる酵素が働かなくなったり、解毒作用ができなくなったり、体に必要なたんぱく質の量が減ったりします。

肝臓はダメージを受けても症状として現れるまでに時間がかかり、気づいた時には症状が進み、治療の効果が得られにくくなるのです。
肝硬変は他の肝臓の病気と併発していることも多く、その治療により肝硬変が改善されることがあります。
肝細胞がん治療後の肝硬変に対するインターフェロン治療で、肝硬変線維化の改善が得られた症例です。

肝硬変の余命

肝硬変はB型肝炎やC型肝炎、アルコール性肝炎から慢性肝炎になり肝硬変へとつながっていきます。
肝硬変に至るまでにはかなりの時間を要し、慢性肝炎から肝硬変までは10年くらいかかります。
このことからもゆっくり症状が進行していくことがわかると思います。

肝硬変になると、その後は肝臓がんになったり、黄疸や腹水のような症状が出たり、肝性脳症と言ってひどくなると昏睡状態になることがあります。
ここまで行くと症状の改善や根治は難しく、出てきた症状に対する治療がメインになります。

肝硬変と診断されるとかなり重症と考えられます。
しかし、必ず余命数ヶ月というような告知をされるということではありません。

肝臓の病気の進行はゆっくりですので、早期に適切な治療を受けることで進行を遅らせることは可能です。

肝硬変の漢方治療について

肝硬変の治療で漢方薬が使われることがあります。
肝硬変の程度や現れている症状、どのような効果を期待しているかにより、選ばれる漢方薬の種類は違います。
急性肝炎に良いもの、慢性肝炎に良いもの、肝臓がんに良いものなどがありますし、もちろん肝硬変に良い漢方薬もあります。

肝臓は解毒作用がある臓器ですので、漢方薬もたくさん飲んだり合わないものを飲むと、肝臓に負担をかけてしまう結果になります。
使用する時は医師の指示を仰ぎ、適切な種類を適切な量を服用するようにします。

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北海道 函館生まれ 昭和53年3月 東京医科大学 卒業。昭和62年10月医療法人木村病院 勤務。平成1年10月 東京医科大学 客員講師。平成10年3月ホロス松戸クリニック開設。漢方栄養医取得。漢方医として病気の治療を行う。主に癌や腹水、肝硬変等、難病の漢方治療を得意とする。 現代医学と東洋医療の融合である統合医療を行う医師