腹水が溜まる原因としていくつかの病気がありますが、その代表とも言えるのが肝硬変です。
肝臓を壊すと肝臓が硬くなり肝硬変になります。
さらに症状が進むと、腹水が溜まるようになります。

肝臓は再生力の高い臓器ですが、重篤な肝硬変になると細胞の線維化も進み、かなり硬くなってしまいます。

そうなるともう元の細胞に戻すことは難しく、症状が悪化していきます。
この状態になると腹水が溜まってもおかしくない状態です。

腹水の原因は滲出液?漏出液?かで判別できる

腹水は肝臓疾患だけではなく、がんや急性膵炎、ネフローゼなどの病気でも溜まります。
含まれているたんぱく質の量により、腹水は滲出液と漏出液に分けることができます。

腹水の原因を調べるために、お腹に針を刺して腹水を抜き取る腹腔穿刺をして成分分析をします。
これにより、含まれているたんぱく質の量、細菌やウィルスの有無、がん細胞の有無、色や濁りなどがわかります。

滲出液と漏出液の腹水はそれぞれ次のような特徴があります。

滲出液の腹水

腹水内のたんぱく質が多く、がん性腹膜炎、急性膵炎、虫垂炎などの炎症が原因で起こる。

漏出液の腹水

腹水内のたんぱく質が少なく、肝硬変、うっ血性心不全、門脈圧の亢進などでアルブミンが減少することが原因で起こる。

肝硬変とは。B型肝炎・アルコール性肝炎が悪化。

では腹水の原因となる代表的な疾患、肝硬変について少し解説します。
肝硬変とは、肝臓の細胞が線維化して硬くなった状態を言います。

肝臓は少しくらいのダメージでは症状を現わさず、はっきりとした症状が出た時にはすでに重症化していることがほとんどです。

肝硬変を起こす原因疾患として、B型肝炎のようなウィルス感染やアルコール性肝炎などがあります。

これらの病気を指摘された時は、定期的な診察と検査が必要になり、肝硬変に移行しないように治療を行います。

肝臓の機能が低下すると、体のだるさや疲れやすさを感じるようになり、食欲がなくなり体重が減少します。

その他にも黄疸や体のかゆみなどの症状がでるようになります。
気になる症状があった時は、担当医に相談をし早期発見に努めることが大切です。

肝硬変から腹水になる原因

肝硬変が進むと腹水が溜まるようになりますが、その原因はアルブミンの減少です。
アルブミンとはたんぱく質の一種で、血液中の水分調整を正常化させる働きやがあります。

そのため、アルブミンが少なくなると、血液内に水分を吸収することができないばかりか、血液中にある水分を溜めて置くことができずに、血管の外に排出してしまいます。

この結果お腹に水が溜まり腹水がどんどん増えることになるのです。

肝硬変から腹水の治療法

肝硬変による腹水の治療は、肝硬変の治療と一緒に進めていきます。
ウィルス性肝炎が原因の場合は薬物療法を、アルコールが原因の場合は禁酒を行います。

そして腹水に対しては、安静と食事療法、利尿剤を使った薬物療法が必須となります。
極力動かないように横になっている時間を増やします。

食事では塩分制限と水分制限をし、体内の塩分濃度を下げるようにします。

それ以外にも、腹水穿刺をして腹水を排出することも必要ですし、アルブミンが減少している場合はアルブミンの投与も必要となります。

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北海道 函館生まれ 昭和53年3月 東京医科大学 卒業。昭和62年10月医療法人木村病院 勤務。平成1年10月 東京医科大学 客員講師。平成10年3月ホロス松戸クリニック開設。漢方栄養医取得。漢方医として病気の治療を行う。主に癌や腹水、肝硬変等、難病の漢方治療を得意とする。 現代医学と東洋医療の融合である統合医療を行う医師