医師 村上
健康な人のお腹には20~50mlのお水があります。
これは腸の動きを良くするためのものです。
この量を超えてお水がお腹に溜まることがあります。
それを腹水といい、肝炎や腹膜炎、腎臓の病気などが原因で起こります。
治療により改善してもすぐにまた腹水が溜まってしまうこともあり、症状を落ち着かせるには時間が必要になります。

むくみや痛み。腹水の症状とは

腹水は1L位を超えると外見的な変化も見られますが、それ以下であれば気づかないこともあります。
最初はスカートやズボンのウェストがきつくなった、体重が増えた、お腹が張るというような自覚症状が現れます。

腹水の量が増えると、お腹の中が水で圧迫されますので、呼吸が苦しくなる、食欲不振、吐き気などが出ます。
さらに腹水が多くなるとお腹の張りがひどくなり、痛みを感じるようになります。

足の方にも水が溜まり、むくみも出てきます。

見た目の変化が顕著にならなければ第三者にはわかりにくいですから、少しの変化や違いを感じた時はすぐに医師に相談するようにします。

腹水の一般的な病院治療

腹水が認められると治療が始まります。
治療の基本は腹水が溜まる原因を解決し、腹水を排出することです。

腹水が溜まる原因は肝硬変や腎不全、膵炎、腹膜炎など様々ですが、これらの病気により血管の中の水分が血管の外に出やすくなったり、たんぱく質の低下があります。

腹水が溜まっている状態の時は、病気がかなり進んでいる可能性が高いため、臓器を休ませるためにも安静が必要になります。

その他には塩分や水分を制限し、血管から水分が外に出るのを防ぎます。
たんぱく質が減少している場合は、たんぱく質の多い食事を取る必要もあります。
ここまでは、腹水の原因の解決にあります。

腹水を排出させるには、利尿剤を使います。
それでも繰り返す、減らない場合には腹水穿刺やCARTを行い、腹水を強制的に排出することになります。
腹水穿刺はどの病院でもできますが、CARTは設備が必要になりますので、できる病院が限られています。

腹水が自然に抜ける治療法とは。

このように腹水は食事や利尿剤で改善がなければ、人工的に排出をしなければなりません。
腹水穿刺もCARTも時間がかかりますし、腹水穿刺に関しては、必要な栄養も一緒に体から排出してしまう可能性がありますので、体力が落ちてしまうことが懸念されます。

自然に腹水が排出され改善される方法があれば、体への負担も少なく済みます。
自然排出の期待があるのが、漢方薬です。

体の中の働きを自然な状態に整える効果がありますので、水分の排出や血管の水分漏出防止などの効果も期待できます。

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北海道 函館生まれ 昭和53年3月 東京医科大学 卒業。昭和62年10月医療法人木村病院 勤務。平成1年10月 東京医科大学 客員講師。平成10年3月ホロス松戸クリニック開設。漢方栄養医取得。漢方医として病気の治療を行う。主に癌や腹水、肝硬変等、難病の漢方治療を得意とする。 現代医学と東洋医療の融合である統合医療を行う医師