肝硬変はウィルス性肝炎やアルコール性肝炎から起こる病気で、肝臓の細胞が線維化し硬くなってしまった状態です。

肝臓は臓器の中でも再生能力が高いとされていますが、線維化が進むともとに戻すことが難しくなります。

さらに肝硬変が悪化すると、腹水や黄疸などの症状が現れます。
ここまで来ると肝臓だけではなく全身状態が良くありませんので、かなり重篤な状況になっていきます。

肝硬変から腹水・黄疸症状がでる原因

ではなぜ肝硬変になると腹水や黄疸の症状が出るのでしょうか。

腹水の原因

肝臓ではアルブミンというたんぱく質が作られます。
肝硬変になり肝臓の機能が低下すると、アルブミンの製造が行われにくくなり、量が減少します。
アルブミンは血管中に水分を溜める働きや、体の中の水分調整の役割を担っています。
アルブミンが減ることで、血液中に水分を溜めておけず、血管外に流れてしまうのです。
そのためお腹の中に水が溜まってしまうようになります。
また、肝臓につながる門脈という血管の血流が悪くなり、門脈圧が上がることも腹水の原因と言われています。

黄疸の原因

血液中の赤血球は古くなると自然に破壊されていきます。
この時に出る物質がビリルビンと呼ばれるもので、肝臓で処理され体の外に排出されます。
肝臓の機能が低下すると、ビリルビンの処理ができずに皮膚などに溜まり肌が黄色くなるのです。

肝硬変から腹水になった際の余命

腹水は肝硬変により起こる症状ですが、腹水が溜まるくらいまでになるとその症状はかなり進んでいると判断できます。

残された時間は長くないと考えられますが、その時間も1~2ヶ月の場合もありますし、数年の場合もあり個人差があります。

肝臓の病気はゆっくりと進みますので、病気を早期に発見し適切な治療を受け、悪化させない努力が大切になります。

腹水の治療法

  1. 安静
  2. 食事療法
  3. 利尿剤
  4. アルブミンの点滴

まずは肝臓の負担を減らすためにもベッド上安静になります。
そして1日の塩分摂取を5~7gくらいに抑え、たんぱく質の多い食事にします。

腹水の排出には利尿剤を使います。
肝硬変ではアルブミンが減少していますので、点滴で補充することもあります。

これらでも改善ができない難治性腹水に対しては、腹水穿刺や腹水ろ過濃縮再静注法を行い腹水を排出させます。

腹水穿刺をしても腹水の原因が改善されないとすぐに溜まってしまいますので、肝臓の治療が優先になります。

腹水が治った例(エビデンス)

 

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北海道 函館生まれ 昭和53年3月 東京医科大学 卒業。昭和62年10月医療法人木村病院 勤務。平成1年10月 東京医科大学 客員講師。平成10年3月ホロス松戸クリニック開設。漢方栄養医取得。漢方医として病気の治療を行う。主に癌や腹水、肝硬変等、難病の漢方治療を得意とする。 現代医学と東洋医療の融合である統合医療を行う医師