腹水が溜まることで起こる症状には、呼吸困難、息切れ、食欲不振、吐き気、痛みなどがあります。

この中でも痛みはそれほど多い症状ではありませんが、常に痛みを感じるというのは大きなストレスになります。
ここでは腹水と痛みの関係性や緩和方法についてご紹介します。

腹水で痛みがでる原因

腹水が少量の場合は特に症状はありませんが、1Lを超えるとお腹が大きくなり張りを感じるようになります。
さらに量が増えるとお腹の張りも強くなり、痛みを感じるようになります。

また、がん性腹膜炎から腹水が溜まった場合は、がんの転移による痛みを感じる場合があります。
この場合は腹水が直接の痛みの原因ではありません。

どちらにしても腹水で痛みを感じるのは、病気が進んできてからになります。

腹水時の痛みの緩和方法

痛みがある場合は、我慢をする必要はありません。
腹水によりお腹の張りと痛みがある場合は、腹水を抜くことで症状が緩和されます。

しかし、抜くことで血圧の低下やショック症状の可能性もありますし、腹水の中に含まれているたんぱく質も排出してしまうため、倦怠感の原因にもなります。

がんが根底にある場合は、モルヒネなどの痛み止めを使うことで、腹水によるお腹の張りや痛みも緩和されることがあります。
腹水の痛みには、原因となる病気の種類と、体の状態、症状の程度にあった方法が取られます。

腹水の治療方法

腹水の痛みを軽減するのには、腹水に対する治療も必要になります。
最初になされる治療は、安静と食事療法です。

体を休め、体内の水分調整に関わる肝臓を休ませます。

そして、塩分と水分の制限を行い、体の中の浸透圧を安定させます。
こうしてお腹に水分を溜めないようにしながら、利尿剤を使って腹水を体の外に出します。

アルブミンが低下している場合は、それを補充するための点滴が必要になることもあります。

これでも腹水が溜まり続ける場合は、腹水穿刺や腹水ろ過濃縮再静注法で腹水を排出します。
腹水を抜くのは利尿剤などでも改善が期待できない場合に行われますので、最終手段ということになります。

くり返す前に自然排出を(腹水漢方治療)

腹水は腹膜の炎症、アルブミンというたんぱく質の減少により起こる症状です。
腹膜の炎症が改善したり、アルブミンの量が増えると腹水は貯まらなくなりますが、繰り返すことも考えられます。

腹水貯留を繰り返さないために血流の改善、炎症の改善、余分な水分を排出するということが必要になります。
これらは漢方を使って効果を出すことも可能です。

腹水は薬を使って無理矢理排出するだけではなく、溜めないための対策も必要です。

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北海道 函館生まれ 昭和53年3月 東京医科大学 卒業。昭和62年10月医療法人木村病院 勤務。平成1年10月 東京医科大学 客員講師。平成10年3月ホロス松戸クリニック開設。漢方栄養医取得。漢方医として病気の治療を行う。主に癌や腹水、肝硬変等、難病の漢方治療を得意とする。 現代医学と東洋医療の融合である統合医療を行う医師