すべての新生児のうち、約34%の割合で何らかの異常をもって生まれてきます(※1)。胎児異常の原因は様々ですが、そのうちの染色体異常や遺伝性の病気などを妊娠中に調べる検査が、「出生前診断」です。

妊婦さんから採取した血液の遺伝子情報を解析するだけで、かなりの確率で胎児の染色体異常の可能性を検出できるようになりました。

妊婦さんから採取した血液のなかには微量のDNA断片があり、それには母体由来のものだけでなく胎児由来のものも含まれます。それらのDNA断片を分析することで、胎児に特定の染色体異常がないかどうかを検査します。

新型出生前診断(NIPT)の検査を受けてから結果が出るまで2週間ほどかかります。

新型出生前診断(NIPT)のメリットとして、次の2点が挙げられます。

検査が簡単でリスクが少ない

新型出生前診断(NIPT)は、通常の採血検査と同じように妊婦さんから血液を採るだけで検査できるので、妊婦さんの体への負担や流産リスクはほとんどありません

たとえば、羊水検査や絨毛検査は、精度は高いものの、お腹に針を刺したりする必要があるため、妊婦さんや赤ちゃんにわずかながら負担がかかります。また、まれに流産やウイルス感染などのトラブルが起こるリスクもあります。

日本産科婦人科学会の「母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査に関する指針」では、検査を受けるには、以下のうちどれか一つの条件を満たしている必要があるとしています(※2)。

胎児超音波スクリーニング検査または母体血清マーカーテストで、胎児の染色体の数に異常がある可能性が指摘されている

過去に染色体の数に異常がある赤ちゃんを妊娠したことがある

高齢妊娠である

両親のどちらかに均衡型ロバートソン転座という染色体異常があり、胎児が13トリソミーまたは21トリソミーである可能性が指摘されている

いずれかの条件を満たしたうえで、事前に遺伝カウンセリングを受け、検査について十分理解した人に限り新型出生前診断(NIPT)を受けることができます。

検査を受ける妊婦さんの年齢によっても検査の精度が変わることや、赤ちゃんや家族の人生にも影響する重要な検査であることから、遺伝カウンセリングにより、十分に検査の意義と内容を理解することが大事です。

なお、新型出生前診断(NIPT)は自由診療で保険が適用されないので、費用は全額自己負担です。医療機関によって異なりますが、約20万円かかります。

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北海道 函館生まれ 昭和53年3月 東京医科大学 卒業。昭和62年10月医療法人木村病院 勤務。平成1年10月 東京医科大学 客員講師。平成10年3月ホロス松戸クリニック開設。漢方栄養医取得。漢方医として病気の治療を行う。主に癌や腹水、肝硬変等、難病の漢方治療を得意とする。 現代医学と東洋医療の融合である統合医療を行う医師